『蜻蛉島(あきづしま)』
万葉集(8世紀) 雑歌
大和(やまと)には 群山(むらやま)あれど
とりよろふ 天(あま)の香具山(かぐやま)
登り立ち 国見(くにみ)をすれば
国原(くにはら)は 煙(けぶり)立つ立つ
海原(うなはら)は 鷗(かまめ)立つ立つ
う ま し 国 そ
蜻蛉島(あきづしま) 大和(やまと)の国は
高市岡本宮御宇天皇代
舒明天皇(在位629~641)
天皇の、香具山に登りて
望国(くにみ)したまひし時の御製歌
「蜻蛉(あきづ)」
トンボ 豊作のしるし
大和には多くの山があるけれど
とりわけてりっぱに草木が繁る天の香具山
その頂に登り立って国見をすると
国土には炊煙がしきりに立ちのぼり
海上にはカモメが翔け上る
美 し い 国 よ
蜻蛉島(あきづしま) 大和(やまと)の国は
コメントを残す