『西行円寂の報に接して詠む』

紫(むらさき)の

色と聞くにぞなぐさむる

消えけん雲は

かなしけれども

~藤原定家・拾遺愚草~

西行の円寂(僧侶の死をいう)
の報に接してよむ

「上人(しょうにん/僧侶の敬称)先年詠、願はくは花の下にて春死なんその如月の望月の頃、今年十六日望日也」

「紫雲(しうん)」
念仏行者の臨終のとき
仏が乗って来迎(らいごう)するという雲

紫雲がたなびいて
仏が来迎して極楽往生されたことに
なぐさめられるの
消えてしまった雲は悲しいけれど

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